2011/11/2

総合・マクロ

墺エルステ銀、9月期決算が大幅赤字に

この記事の要約

オーストリア大手銀行のエルステ・バンクが10月28日発表した20119月通期決算の最終損益は、9億7,300万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(6億3,400万ユーロ)から大幅に悪化した。ハンガリー、ルーマニア事業の不 […]

オーストリア大手銀行のエルステ・バンクが10月28日発表した20119月通期決算の最終損益は、9億7,300万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(6億3,400万ユーロ)から大幅に悪化した。ハンガリー、ルーマニア事業の不振が収益を圧迫した。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引も大きなマイナス要因となった。

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ハンガリー事業では、同国政府が9月に決定した外貨建てローンの返済救済策を理由に2億ユーロの貸倒引当金を計上した。これにより、エルステ銀全体の引当金計上額は17%増の19億ユーロに拡大。年末までにさらに23億ユーロに拡大する見通しだ。

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ハンガリー政府の救済策は、ユーロ危機に伴うフォリント安の進行で外貨建て住宅ローンの返済に窮する個人を救済することを目的としたもので、ローン残金の一括返済を条件に割安な固定換算レートを適用する。為替差損や諸手数料は融資銀行が負担するため、同ローンの顧客を9万6,000人も抱えるエルステ銀にとっては大きな重荷だ。同行によると、これまでに約4,500人が同救済策を利用した一括返済を申請。2万1,000人が申請に関心を示したという。また、同期のハンガリー事業が5億3,200万ユーロの赤字となったため、6億ユーロの資金注入を計画している。

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ルーマニア子会社BCRでは、経済低迷で業績が伸び悩んでいることから、7億ユーロ弱の減損処理を行った。

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また、評価損がかさんだCDS資産については、近いうちにすべてを解消する。9月末に52億ユーロあった取引額は10月27日時点ですでに3億ユーロまで縮小した。

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■中核的自己資本比率は9%以下に

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今回の損失と評価損の計上により、9月末時点のエルステ銀の中核的自己資本(コアTier1)比率は2010年末の9.2%から8.8%に悪化した。欧州連合(EU)は先ごろ、ユーロ危機対策として同比率を来年6月末までに9%まで引き上げるという資本増強策を正式決定しており、エルステ銀はこれを達成するため、5億9,000万ユーロの増資が必要になる。

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域内の各銀行は9%を達成するため、独自に資金調達するが、それが困難な場合は、各国政府、さらに欧州金融安定基金(EFSF)に支援を要請する。エルステ銀は独自で資金増強が可能だとしている。

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