2011/11/30

総合・マクロ

中東欧大手500社の純益12.6%増、ポーランド企業が優勢

この記事の要約

2010年の中東欧大手500社の純益は合計218億6,000万ユーロとなり、金融危機で不振だった前年の実績を12.6%上回った。売上高は約20%増の5,453億6,000万ユーロに達した。一方で従業員数は10%減の194 […]

2010年の中東欧大手500社の純益は合計218億6,000万ユーロとなり、金融危機で不振だった前年の実績を12.6%上回った。売上高は約20%増の5,453億6,000万ユーロに達した。一方で従業員数は10%減の194万人に縮小した。フランスの取引信用保険会社コファスが23日発表した調査でわかった。

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500社の国籍をみるとポーランドが160社で最も多かった。これにハンガリー(74社)とウクライナ(66社)が続いた。

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中東欧13カ国のうち、2010年に経済成長を達成したのは8カ国。最も伸びが大きかったウクライナで4.2%、最小のハンガリーで1%だった。一方でブルガリアとリトアニアはゼロ成長、ラトビア(マイナス0.9%)、クロアチア(マイナス1.5%)、ルーマニア(マイナス1.9%)は縮小が続いた。

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業種別では石油・ガス、金属、鉱山が特に好調だった。トップ企業は前年に引き続きポーランドの石油大手PKNオルレンだった。2位はハンガリーの石油大手MOL、3位はウクライナのナフトガスが占めた。

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ポーランド企業が好調だったのは、金融危機の中でも国内経済が堅調さを保ったためだ。2009年には欧州連合(EU)加盟国の中で唯一、プラス成長を成し遂げた。2010年に上位500社にリストアップされたポーランド企業の利益は40%も増加している。また、雇用も大勢に反して前年より8.4%増加した。企業破産数は09年に59%増加したが、10年には5%の縮小に転じた。ポーランドは63.9%の輸出増加を追い風に、今年も国内総生産(GDP)がEUで最も大きく伸びると予測される。

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ハンガリーは9社がリストから外れたものの、国別で2位の地位を守った。2009年に経済が大きく後退したが、2010年は1%の経済成長を達成した。これは主に外需の功績だ。一方、ハンガリーでは企業の倒産率が3.6%と高いのが目立つ。ポーランドではわずか0.02%だ。

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ウクライナは国内経済が安定したことで66社がトップ500社入りし、2008年と同じ水準に戻った。09年は43社に減っていた。来年はポーランドと共同で欧州サッカー選手権を主催することになっており、その経済効果に期待がかかっている。

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コファスの「中東欧大手500社」は、中東欧13カ国の売上高1億2,000万ユーロ以上の企業を対象に調査が行われた。銀行・金融サービス企業は除かれている。(「目で見る東欧・CIS経済」を参照)

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