2011/11/30

ポーランド

ポーランドの発電所、大気汚染源のワースト1に

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が24日発表した報告書によると、2009年に大気汚染を通じて健康・環境に最も大きな被害を与えた欧州の産業施設は、ポーランド国営電力会社PGEが操業するベウハトフ発電所だった。被害額は最大25億ユーロで […]

欧州環境庁(EEA)が24日発表した報告書によると、2009年に大気汚染を通じて健康・環境に最も大きな被害を与えた欧州の産業施設は、ポーランド国営電力会社PGEが操業するベウハトフ発電所だった。被害額は最大25億ユーロで、二酸化炭素(CO2)の排出量は2,950万トンに上った。

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同報告書は、欧州の産業施設による大気汚染が健康や環境にもたらす被害を金額に直してまとめたもの。ポーランドの施設ではほかに、PGEのトゥルフ発電所(CO2排出量:1,170万トン、被害額:最大13億ユーロ)、エネアのコジニツェ発電所(同1,090万トン、最大12億ユーロ)が「ワースト20」にランクインした。

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国別では産業施設の多いドイツが340億ユーロと欧州全体の約20%を占めて1位。ポーランドは2位で190億ユーロだった。

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EEAは欧州の被害総額を少なくとも「1,020億~1,690億ユーロ」と推算する。また、欧州汚染物質排出移動登録(E-PRTR)に記載されている2,000施設のわずか2%が被害の50%を引き起こしていると指摘した。

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E-PRTR制度は欧州の産業施設が大気、水、土壌に排出する汚染物質の種類や量をまとめて一般に公開するもの。2010年からは欧州連合加盟27カ国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーも対象となっている。今回の大気汚染の調査では、汚染物質としてCO2のほか、窒素酸化物、硫黄酸化物、粒子状物質(PM10)などが考慮に入れられた。

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