2011/11/30

コーヒーブレイク

「聖帯」の参詣者300万人に~ロシア

この記事の要約

ロシア15都市を巡回していたギリシャ正教会の聖遺物「聖母マリアの帯(聖帯)」を拝んだ人の数は300万人に上った。これはギリシャの聖地アトス山のヴァトペディ修道院が保管するもので、子授けのほか、病気の治療にも効果があるとさ […]

ロシア15都市を巡回していたギリシャ正教会の聖遺物「聖母マリアの帯(聖帯)」を拝んだ人の数は300万人に上った。これはギリシャの聖地アトス山のヴァトペディ修道院が保管するもので、子授けのほか、病気の治療にも効果があるとされている。正教会の聖遺物の中でも最も重要なものの一つといわれる。

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「聖帯」は先月20日にサンクトペテルブルグに到着。14都市を巡回し、今月19日にロシア正教会の大本山であるモスクワ・救世主ハリストス大聖堂に到着した。

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そこからが大変だ。地元の市民のみならず、モスクワ以外の信者も数百台のバスに乗ってかけつけ、行列は最長5キロ、待ち時間は26時間という盛況ぶり。氷点下の気温の中、警察官1,500人が出動して、割り込みがないよう監視する事態となった。市当局は無料で紅茶や食べ物を配布し、移動トイレを設置するなどの措置をとった。

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この人気を受けて公開期間は3日延ばされ、聖帯は28日に帰途に就いた。モスクワでの参詣者は100万人に達した。

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聖帯は聖母マリアがらくだの毛を使って自ら作り、昇天前に使徒トマスに与えたと伝えられている。その後、エルサレムとコンスタンチノープルを経て、14世紀からヴァトペディ修道院に保管されているという。

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ロシア正教会はソ連時代の80年間にわたって政府の弾圧下にあったが、その後、勢力を回復し、社会への影響力を増している。ロシア正教の源流は、キエフ大公国が989年に東ローマ帝国のキリスト教を国教に定めたことにあり、以来、ギリシャの聖職者や修道院と緊密な関係を保っているという。

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