2011/12/7

総合・マクロ

中東欧、ユーロ圏財政危機の波及で経済成長が減速

この記事の要約

中東欧の景気回復が腰折れするとの見方が強まっている。ウィーン経済比較研究所(WIIW)は11月末、ユーロ圏の信用不安が中東欧に波及するのは避けられないとして、欧州連合(EU)に加盟している中東欧10カ国の経済成長率が、今 […]

中東欧の景気回復が腰折れするとの見方が強まっている。ウィーン経済比較研究所(WIIW)は11月末、ユーロ圏の信用不安が中東欧に波及するのは避けられないとして、欧州連合(EU)に加盟している中東欧10カ国の経済成長率が、今年の3.0%から来年2.4%に弱まるとの予測を示した。ただ、中東欧諸国の財政状況は西欧諸国ほど悪くないため、景気後退に陥ることはないと見ている。

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WIIWの予測では、中東欧で来年の経済成長が最も堅調なのはポーランド(3.3%)とルーマニア(2.1%)で、ハンガリーもかろうじて0.3%を確保できる見通し。ただ、これまで中東欧の景気回復をけん引してきたドイツなどEU主要国の景気悪化に伴い、中期的に見た景気刺激要因は国内需要と投資しかないが、財政状況の悪化や銀行の貸し渋りが強まればこれも困難になると指摘する。

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中東欧の銀行貸付は金融危機までは年率2桁台という急ペースで拡大したが、危機以降は横ばいとなり、バルト3国などでは今でも減少が続いている。現状の経済環境から見て信用収縮になるリスクがあり、WIIWは今後、経済成長見通しを新たに引き下げる可能性もあるとしている。

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