2011/12/7

総合・マクロ

中東欧3カ国の11月PMIが悪化、分岐点の50を下回る

この記事の要約

ポーランド、ハンガリー、チェコの11月の製造業購買担当者指数(PMI)はいずれも悪化し、ポーランドとチェコもハンガリーに続き景気の分岐点となる50を割り込んだ。欧州危機の波及で景気後退懸念が強まっている。\ 英金融大手の […]

ポーランド、ハンガリー、チェコの11月の製造業購買担当者指数(PMI)はいずれも悪化し、ポーランドとチェコもハンガリーに続き景気の分岐点となる50を割り込んだ。欧州危機の波及で景気後退懸念が強まっている。

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英金融大手のHBSCが1日発表したポーランドの11月PMIは49.5となり、2009年10月以来で初めて、50を下回った。10月は51.7だった。指数が低下した主な原因は国外からの新規受注の減少だ。受注残も縮小した。一方で生産と雇用はほぼ前月並みを維持した。

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PMIを集計しているHSBCのエコノミスト、ウルバンスカ氏は「欧州の経済減速がポーランドにも波及することを示すデータ。近いうちに、国外受注だけでなく国内受注も減ると覚悟しなければならない」とコメントしている。

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チェコの11月PMIも前月比3.1ポイント減の48.6となり、50を下回った。PMIが低下したのは3カ月連続で、50を割ったのは09年10月以来、およそ2年ぶり。HBSCは、「製造業を取り巻く環境が第4四半期を通じて悪化していることを示している」とコメントしており、今後数カ月以内にチェコ経済の成長が減速するだけでなく、縮小に転じる恐れが出てきた。

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新規受注は2009年7月以来、初めて低下。国内・国外ともに不調で、国外については09年8月以来で初めて縮小した。欧州・米国の需要低下が背景にある。

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生産の減少は過去28カ月で初めて、受注残も2年強続いていた拡大が縮小に転じた。これにより雇用は削減され、部品・資材購入も減少した。原材料費はやや上昇しているが、製品価格は2010年8月以来で初めて低下した。

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輸出への依存が高いチェコでは、欧州の景気後退が深刻化した場合の影響を懸念する声が強い。財務省は来年の経済成長率を1%と予測しているが、同省が集計した金融機関17社の予測は平均で0.3%まで落ち込んでいる。

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■ハンガリーは2カ月連続で50を割り込む

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ハンガリーの物流・購買・在庫管理協会(HALPIM)が1日発表した11月のPMIは47.8となり、8月の48.2からさらに悪化した。これは09年8月の46.2に次ぐ低水準。ハンガリーの製造業は10年夏に景気後退から脱し、回復が進んでいたが、今春以降に成長が減速。分岐点の50を2カ月連続で割り込んだ。

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PMIの構成要素別に見ると、生産指数は過去22カ月で初めて50を割り込んだ。11月の値としても過去15年間で最低となった。新規受注指数は前月をやや上回ったものの、過去15年間で2番目に低い。雇用指数も前月から改善したが、50を割り込んだままだ。納期指数は24カ月連続で50を下回っている。また購買量、輸入指数からも業況悪化がうかがえる。

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