2011/12/14

ポーランド

ワルシャワ証取、中東欧の最重要取引市場に

この記事の要約

ワルシャワ証券取引所(WSE)が中東欧の証取としてトップの地位を固めつつある。トゥスク政権が進める民営化計画を追い風に、株式新規公開(IPO)が相次いでいることが主因だ。一方で、堅調な国内経済を背景とした中堅企業の上場も […]

ワルシャワ証券取引所(WSE)が中東欧の証取としてトップの地位を固めつつある。トゥスク政権が進める民営化計画を追い風に、株式新規公開(IPO)が相次いでいることが主因だ。一方で、堅調な国内経済を背景とした中堅企業の上場も業績を支えている。

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市場の混乱を理由に多くの企業が欧州での上場計画を延期するなかで、WSEは独り気を吐いている。2010年の新規株式公開(IPO)数は120件、今年は1-9月だけで187件に上った。今年、上場条件の厳しい「メイン・マーケット」に上場した大手36社は合わせて86億ズロチ(19億ユーロ)を調達した。最も規模が大きかったのは6月の炭鉱会社JSWの上場で、調達額は13億ユーロに達した。

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プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の調べによると、2011年7-9月のWSE上場数は66件となり、欧州証取全体の半数を占めた。これに対し、ロンドン証取は29件、NYSEsユーロネクストは8社、ドイツ証取は5件にとどまった。以前は中東欧株の主要取引市場だったウィーンは0件で、その座をWSEに奪われた格好だ。

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WSEのソボレフスキ社長は、民営化計画の終了を見越して、中堅企業に力を入れる方針を確認している。2007年に上場条件が比較的緩い取引市場「ニューコネクト」を設置し、国内有望企業の資金調達の場として運営している。

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ドイツ証取からの資本参加を受け入れなかった理由としては、「WSEの強化に向けて大きな投資を実施する姿勢がみられなかった」と説明。NYSEユーロネクストとドイツ証取が計画通り合併した場合の影響については「変化をもたらすのは確かだが、WSEの存在を脅かすものではない」との見方を示した。合併後の新証取との提携にも関心を示している。

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ポーランド経済は金融危機後の2009年にも1.6%のプラス成長を確保するなど、内需の大きさを力に欧州でも例外的な好調さを示している。ドイツ銀行の予測では来年の成長率は前年比1.4ポイント減の2.6%に縮小するが、それでも近隣諸国に比べると見通しは良好といえる。

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■国際投資銀行がシェア伸ばす

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ポーランド経済紙『パルキエト(Parkiet)』が伝えたところによると、WSEにおける11月の国外証券会社の取引高は114億ズロチに上り、全体の27%以上を占めた。企業別ではクレディ・スイス証券が最も多く、取引規模は国内のバンク・ハンドローヴィとほぼ同じとなった。

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ゴールドマン・サックスも200万ズロチと、国内・国外企業をあわせた取引高ランキングで9位につけている。

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