2011/12/21

ハンガリー

EU・IMFがハンガリー向け金融支援の協議中断、中銀改革法案を問題視

この記事の要約

欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は16日、ハンガリーへの金融支援に関する事前協議を中断した。同国政府が中央銀行の独立性を制限する法案の採択を目指している点を問題視したもの。両機関とハンガリーの公式協議は来年1月の […]

欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は16日、ハンガリーへの金融支援に関する事前協議を中断した。同国政府が中央銀行の独立性を制限する法案の採択を目指している点を問題視したもの。両機関とハンガリーの公式協議は来年1月の開始が見込まれていたが、ハンガリー側が今回の動きを受けて法案の見直しに応じるかどうかは不透明で、今後の進展は予断を許さない状況だ。

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欧州委員会のアルタファイ報道官(レーン経済通貨問題担当委員付き)は声明で、「中央銀行の独立性を脅かしかねない法律の制定を推し進めようとするハンガリー当局の意図に対して欧州委員会は懸念を抱いている」とコメント。「ハンガリー政府から法案見直しの意向が示されなかったため、協議の中断を決めた」と述べた。IMFの報道官も法案は「中銀の独立性を制限する可能性がある」との認識を示し、「中央銀行の独立性はマーストリヒト条約と同様、健全な経済運営の重要な基盤だ」と指摘した。

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ハンガリー政府が導入を目指している法律は、副総裁の任命権を首相と大統領に委譲する、中央銀行総裁の権限を縮小する、政策決定委員会を現在の7人から9人体制に拡大することなどを柱とする内容。中銀のシモール総裁は法案について「(政府が)中銀を完全に乗っ取るようなものだ」と発言している。

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ハンガリーはリーマンショックに端を発した金融危機で大きな打撃を受け、2008年11月にEU、IMFなどから200億ユーロの緊急融資を取り付けたが、その後に発足したオルバン政権はIMFが主導する財政再建を嫌い、2010年にIMFとの融資契約を打ち切った経緯がある。しかし、欧州債務危機の影響で中・東欧諸国の金融市場で先行き不安が広がり、巨額の累積債務を抱えるハンガリーからは資金流出が加速し、同国通貨フォリントも急落。こうした事態を受けて同国政府は11月、EUとIMFに金融支援を要請した。

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EUおよびIMFとの交渉を担当するフェッレギ国家開発相は、事前協議で双方の立場が明確になり、話し合いは「極めて有意義だった」と強調。ハンガリー側には「前提条件なし」に協議を再開する用意があり、欧州中央銀行(ECB)から提案のあった修正点を法案に盛り込む作業を進めていると述べた。ただ、オルバン首相はIMFと経済政策について議論するつもりはないと明言しており、フェッレギ氏の発言が政府の意向に沿ったものかどうかははっきりしない。

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