2012/1/4

総合・マクロ

トルコ、サウス・ストリームの建設を許可

この記事の要約

ロシア産の天然ガスを黒海から欧州に輸送するパイプライン「サウス・ストリーム」の建設プロジェクトでトルコ政府は28日、トルコ領における建設を許可した。これにより、黒海での敷設工事が可能となり、同プロジェクトはまたも一歩前進 […]

ロシア産の天然ガスを黒海から欧州に輸送するパイプライン「サウス・ストリーム」の建設プロジェクトでトルコ政府は28日、トルコ領における建設を許可した。これにより、黒海での敷設工事が可能となり、同プロジェクトはまたも一歩前進した。ロシア政府は、許可と引き換えに2025年までトルコにガスを供給することを確約した。

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サウス・ストリームはウクライナを経由せずに欧州にガスを供給するロシアの戦略の一環。黒海海底パイプラインの敷設費用だけで100億ユーロ、総工費は250億ユーロと見積もられている。2015年の稼動を予定する。

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先月中旬にサウス・ストリームの敷設ルートについて、オーストリアルートを放棄するとメディアが報道したことに関し、ガスプロムのメトベージェフ副社長は、サウス・ストリームの終点が「従来計画のオーストリアではなく、北イタリアとなる可能性がある」と話した。

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トルコ政府は26日、アゼルバイジャンの天然ガスをトルコへ輸送するパイプライン「トランスアナトリア」の敷設で、アゼルバイジャン政府と合意するなど、ロシア産以外のガスの輸入・販売もねらっている。ただ、西欧への輸送にはサウス・ストリームの競合プロジェクトである「ナブッコ・パイプライン」や、「アドリア海横断パイプライン(TAP)」、「ギリシャ・イタリア間パイプライン(IGI)」の完成が前提となる。これらのプロジェクトはガスの調達先が確保できておらず、足踏み状態となっている。(東欧経済ニュース12月21日号「サウス・ストリーム、終着点は北イタリアに」を参照

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