2011/12/21

ロシア

サウス・ストリーム、終着点は北イタリアに

この記事の要約

天然ガス世界最大手のガスプロムは、ガスパイプライン計画「サウス・ストリーム」の敷設ルートに関し、オーストリアのバウムガルテンに接続する選択肢を放棄したもようだ。ロシアのメディアが14日、ガスプロムに近い筋の情報として報じ […]

天然ガス世界最大手のガスプロムは、ガスパイプライン計画「サウス・ストリーム」の敷設ルートに関し、オーストリアのバウムガルテンに接続する選択肢を放棄したもようだ。ロシアのメディアが14日、ガスプロムに近い筋の情報として報じた。オーストリアのエネルギー大手OMVが競合プロジェクト「ナブッコ計画」で中心的役割を果たしていることに加え、ガスプロムが予定していたバウムガルテンの天然ガス集積・中継事業会社への出資について、欧州連合(EU)が難色を示したことが原因とされている。

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オーストリア政府は2010年、サウス・ストリームの経由国候補として最も遅く、ロシア政府と協定を結んだ。ガスプロムとOMVは国内を通る40キロメートルのパイプライン設計・敷設で折半出資会社を設立する予定だった。また、別の取り決めにより、バウムガルテンの天然ガス事業会社セントラル・ヨーロピアン・ガス・ハブ(CEGH)へガスプロムが50%出資することも計画されていた。

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OMVは今月初めにも「バウムガルテンに接続するどのパイプラインにも関心がある」とし、サウス・ストリームがオーストリア領内を通るのであれば、計画に参加したい意向を明らかにしていた。

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ガスプロム筋は、今回の決定でOMVはサウス・ストリームで輸送されるガスの購入者というだけの位置づけになると話した。

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同筋によると、ギリシャ―アドリア海―南イタリアルートも放棄され、北イタリアがサウス・ストリートの終着点となる。ガスプロムはこの点に関してコメントを出していない。

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サウス・ストリーム計画にはガスプロムが50%、イタリアのENIが20%、フランス電力公社(EDF)とドイツのヴィンタースハルが各15%を出資している。

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