2012/2/29

チェコ・スロバキア

スロバキア、サムスン向け助成金の審査難航

この記事の要約

韓国のサムスン電子がスロバキア政府に申請した助成金交付の審査が難航している。欧州連合(EU)の国家補助ルールとの整合性に問題があるためで、ラディツォバー首相は22日、財務省に再審査するよう指示した。\ 問題となっているの […]

韓国のサムスン電子がスロバキア政府に申請した助成金交付の審査が難航している。欧州連合(EU)の国家補助ルールとの整合性に問題があるためで、ラディツォバー首相は22日、財務省に再審査するよう指示した。

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問題となっているのは、サムスン電子スロバキアが昨年9月に同国経済省に申請した2,800万ユーロの助成金。ラディツォバー首相によると、サムスンは補助金を使って新型LEDテレビの生産を開始することや3Dスマートテレビ、OLEDテレビの新モデルを開発することを計画している。

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EUは加盟国の企業への公的支援を競争上の観点から厳しく制限しており、雇用創出に結びつくもの、あるいは失業率の高い地域における事業に限定している。サムスンの今回の申請はこのいずれにも当てはまらない。しかし、サムスンが2005年にスロバキア政府と締結した協定では、研究開発センターを新設する際に税優遇措置を適用するとしており、申請した事業の定義が問題となっている。

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昨年11月には、サムスンがスロバキアからの撤退を計画しているとの報道があった。サムスンはこれを否定しているが、この点についても確認する余地がある。今回の補助金が撤退計画を回避させ、雇用を維持する効果があるならEUの規定を満たすことになるからだ。

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