2012/2/29

チェコ・スロバキア

RWEの子会社売却、国益に配慮を=チェコ通産相

この記事の要約

チェコのクバ通商産業相は23日、独エネルギー大手RWEがチェコのパイプライン子会社Net4Gasの売却を計画していることについて、売却先を国益に配慮して慎重に決めるのが望ましいとの考えを示した。政府に売却先を制限・指定す […]

チェコのクバ通商産業相は23日、独エネルギー大手RWEがチェコのパイプライン子会社Net4Gasの売却を計画していることについて、売却先を国益に配慮して慎重に決めるのが望ましいとの考えを示した。政府に売却先を制限・指定することはできないものの、同分野は国家にとって戦略的に重要な産業であることから、「長期的な経営的視野を持つ投資家をオーナーとして迎えたい」としている。RWEが利益だけを重視して売却先を決めないよう釘を刺した格好だ。

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Net4GasはRWEトランスガスの送ガス事業を担う。総延長2,500キロメートルのパイプラインを保有し、ウクライナとスロバキアを経由してチェコに送られてくるロシア産ガスを輸送する。同パイプラインは将来的にはバルト海底パイプライン「ノルド・ストリーム」とも結ばれる予定だ。

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チェコは天然ガス需要の65~70%をロシアに依存する。このため国内では、ロシア国営のガスプロムがNet4Gasを買収してチェコの重要なインフラを管理することへの懸念が浮上。ガスプロムが直接買収に出ないものの、おとりの投資家が買収し、その後にガスプロムに転売するとの見方も出ている。

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RWEは2002年の民営化でトランスガスを買収した。その際の条件だった転売禁止条項は2010年1月に期限が切れている。

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RWEは債務圧縮を目的に総額110億ユーロの資産を放出する計画だ。Net4Gasの売却はその一環で、売却候補リストの上位に位置している。(東欧経済ニュース2月15日号「独RWE、チェコのガスパイプライン会社を売却へ」を参照)

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