スロバキアに事業拠点を構える欧州企業の多くが今年の景気回復に悲観的なことが、在スロバキア・ドイツ商工会議所が行った景況感調査で明らかになった。現状の景気を良いと見るのは回答した企業212社の2割弱で、今年改善に向かうと見る企業はさらに少なかった。
\一方、自社の業況好転への期待は大きく、売上拡大見通しと回答した企業が約半数にのぼり、4社に1社が投資や雇用を拡大する可能性を示した。シーメンスの現地子会社のスレザック社長によると、今年、業況が悪化することを懸念する企業は少数派であり、「昨年ほどには楽観的ではないが、危機ムードは全くない」。
\本調査に参加した欧州企業がスロバキアに投資する理由は、欧州連合(EU)加盟国であることに加え、有能な人材を比較的安いコストで確保できることや現地のサプライヤーの質と層の厚さだ。スロバキアは中東欧諸国の中でも魅力的な市場であり、回答企業の9割近くが投資を継続する方針という。半面、汚職、法的権利の保護、人材養成制度といった問題についての改善が遅れていることを指摘する声が多い。
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