2012/3/28

コーヒーブレイク

穴あき旅客機でも危険なし~ロシア

この記事の要約

モスクワ国際空港で20日、主翼に「穴」が開いているボーイング737型機から乗客27人が自力で避難する騒ぎが起こった。現地報道によると、同機は約3,500キロ離れたクラスノヤルスク行きで、助走がうまくいかず、まだ離陸してい […]

モスクワ国際空港で20日、主翼に「穴」が開いているボーイング737型機から乗客27人が自力で避難する騒ぎが起こった。現地報道によると、同機は約3,500キロ離れたクラスノヤルスク行きで、助走がうまくいかず、まだ離陸していなかった。この時点で乗客の一人が翼に穴のようなものが開いていることに気づき、客室搭乗員に連絡。機長にも伝えられた。

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しかし、機長は機内放送で乗客に礼を述べたものの、そのまま予定通り離陸すると話した。これにびっくりしたのが乗客だ。乗り合わせていた70人のうち27人が降機しようと出口に走った。乗客の一人、エレナさんによると、搭乗員は「飛行機から出たら警察で5時間拘置される」と脅したが、乗客を止めることはできなかった。やっと降りてチケットの払い戻しを受けたら「自らの都合で降機した」との理由で「高額の手数料を差し引かれた」という。

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この飛行機は他の乗客を乗せてそのまま離陸、3時間遅れで無事、クラスノヤルスクに到着した。

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同機を運行する民間航空会社トランスアエロは翌21日、穴に見えたのはエンジン点検窓のカバーがなくなっていたもので、ボーイング社の説明書によるとそのまま数回飛行しても安全上の問題がないと発表した。「拘置」の脅しについては、そのような事実はなかったと否定した。また、降機した乗客には航空券代金を全額返金するという。カバーの行方は不明だ。

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この一件については、モスクワ長距離運輸検察局が調査に乗り出した。

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クラスノヤルスクの元パイロットらは、「乗客の気持ちはわかるが、乗員だって死にたくはない。安全でなければ飛ばない」と冷静にコメントしている。

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国際航空運送協会(IATA)によると、ロシアなどCIS諸国の航空会社は事故率が最も高い。昨年1~11月のデータでは、離陸100万回あたりの事故数が11.07回と、内戦で疲弊したコンゴ民主共和国よりも多くなっている。

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