中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/4/4

ロシア

露通信大手MTS、モバイル・インターネット事業を強化

この記事の要約

露通信大手モバイル・テルシステム(MTS)のアレクセイ・コルニャ最高財務責任者はロンドンで開催された第12回シティーグループ・ヨーロッパ・新興成長市場テレコム会議で、同社の今後のモバイル・インターネット事業の展望を明らか […]

露通信大手モバイル・テルシステム(MTS)のアレクセイ・コルニャ最高財務責任者はロンドンで開催された第12回シティーグループ・ヨーロッパ・新興成長市場テレコム会議で、同社の今後のモバイル・インターネット事業の展望を明らかにした。MTSの通信網におけるスマートフォン利用率は昨年末時点で14%だったが、2014年末までには60%に拡大するとの見解を示した。このため同社は今後、モバイル・インターネットの他、オンライン動画配信、セルラーM2M(機器間通信)サービスを基軸に事業を展開するとした。

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コルニャ最高財務責任者は、ロシアのモバイルデータ通信の通信量は2016年までに現在の75倍に拡大すると予測する。また、2015年までに同社のモバイル・インターネット接続サービスの利用率は月平均で現在の35%から75%に増大するとしている。これを見込んで、MTSは既に映画などをスマートフォンやタブレット端末などのIT機器にダウンロードできるポータルサイト『Omlet.ru』を運営している。

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MTSは現在、270万人の利用者がいるといわれるロシアのM2M通信市場で40~45%のシェアを握っている。同最高財務責任者によると、ロシアのM2M市場は2015年までに1,840万人のユーザー規模に拡大する。自動車、医療、家電などの分野で今後M2Mの需要が大きく伸びるという。

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なお、MTSの昨年第4四半期の売上高は前年同期比0.4%減の29億8,000万ドルにとどまった。一方、純利益は1億5,600万ドルから3億9,300万ドルに倍増した。

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