ルノー日産連合は3日、ロシアの提携先であるアフトワズの過半数株を取得する内容で、同社株主のロステクノロジーおよびトロイカ・ディアローグと基本合意した。取引規模は7億5,000万米ドル。力強い成長が見込まれるロシア市場で強固な地盤を築き、事業の拡大を図る。当局の許可を得て、年内に本契約を結び、2014年までに取引を完了する計画だ。
\合意によると、ルノー日産とロステクノロジーはアフトワズ株を管理する合弁会社を設立し、トロイカ・ディアローグの持ち株を買収する。合弁会社の出資比率は合計74.5%に達する。ルノー日産は合弁会社に67.13%出資する形となり、間接的にアフトワズ株の50.01%を握る。
\一方でロステクノロジーは、アフトワズの債務再編に合意した。アフトワズは非中核事業の売却益(推定2億3,800万ドル)でロステクノロジーへの債務の一部を弁済。これと引き換えに、ロステクノロジーからのゼロ金利融資枠が15億6,000万ドルに拡大される。また、弁済期限は2032年以降へと20年延長されるもようだ。
\今回の取引ではアフトワズの企業価値を時価の3倍近い30億ドルと設定した。アナリストの中には「法外な価格」と見る向きもある。しかし、ロシアは2014年にドイツを抜いて欧州最大の自動車市場になると予測される重要市場。伝統メーカーであるアフトワズの経営権獲得は基本的に好意的に受け止められている。
\ルノーはすでに2008年にアフトワズの25%を10億ユーロで買収した。ゴーン最高経営責任者(CEO)はその後、経営権獲得に向けた努力を続け、4年がかりで今回の基本合意に結びつけた。
\ゴーンCEOは、経営不振のアフトワズを採算性のある大量生産メーカーに生まれ変わらせる考えだ。これに向けて、低価格戦略車「ダチア・ロガン」の技術を移転する。5年後にアフトワズで25%、日産ルノーで15%の国内シェアを確保する目標だ。
\ \■アフトワズ、1~4月の販売9%落ち込む
\ロシアの自動車大手アフトワズが2日発表した2012年1~4月の自動車販売台数は、前年同期比9%減の18万2,000台に落ち込んだ。ロシアのノーボスチ通信が報じた。
\モデル別では、「ラーダ」が15万9,490台を販売したものの、前年同期から13.6%減少した。
\なお、4月単月の国内外における販売は5万6,210台だった。
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