モスクワ市政府は、市内の地下鉄網の整備・運営に民間資本を投入することを検討している。地下鉄インフラを近代化・拡張するのが狙い。同市が発表した新戦略計画書の中で明らかになった。現地英字紙『モスクワ・タイムズ』が9日付けで報じた。
\同紙によると、市経済政策・開発局は新戦略計画書の中で、地下鉄網を発展させるため民営化を含む民間資本の誘致を提案。将来は地下鉄を官民連携パートナーシップなどの形で運営することを計画している。ただ、民営化の時期などについては明らかにしていない。
\モスクワ市長は先月、2020年末までに地下鉄網を新たに150キロメートル延長し、駅を新たに70カ所開設する拡張計画を発表しており、今回の民営化構想は追い風となりそうだ。
\これまでに、不動産会社のCrocusグループや金属大手のRusskoye Zolotoが新駅の建設や既存駅の近代化事業に出資するなど、民間企業が地下鉄事業に一部参加することはあった。また、ノーボスチ・ロシア通信が2010年12月に、Tsenstrstroiという企業が地下鉄の建設・管理会社であるMoscow Metrostroiを約76億ルーブル(2億5,500万ドル)で落札したと報じこともあった。
\ロシア国立研究大学都市研究・計画大学院のミハイル・ブリンキン教授は今回のモスクワ市の構想について、「ただのドラフトにすぎない」と述べ、計画の実現に懐疑的な見方を示している。
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