欧州連合(EU)が進める最先端レーザー研究施設群「ELI(Extreme Light Infrastructure)」の建設プロジェクトをめぐり、欧州委員会はこのほど、ルーマニアに建設される光核研究所(ELI-NP)に1億8,000万ユーロを拠出することを承認した。
\ELIはEU加盟13カ国から40を超える研究機関が参加するプロジェクトで、投資規模は7億ユーロ。域内4カ所に大型レーザー設備を備えた研究所を建設することが決まっており、ルーマニアのマグレレのほか、プラハ(チェコ)、セゲド(ハンガリー)が建設地に選定されている。4カ所目の建設地は年内に決定される予定だ。
\マグレレのELI-NPでは、高エネルギー粒子加速器と高出力レーザーを組み合わせたガンマ線源の研究が計画されている。欧州委のハーン委員(地域政策担当)は、「ELI-NPプロジェクトを通してルーマニアが欧州の研究開発分野で地歩を固め、優秀な人材を確保し、頭脳流出を食い止め、企業を誘致するチャンスが出てくる」と期待感を示した。
\ルーマニアの研究開発支出は国内総生産(GDP)の0.5%にとどまっており、政府は2020年までに2%に伸ばすことを目標に掲げている。
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