2012/9/26

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

フェアブントとEVN、アルバニアの合弁水力発電所が稼動

この記事の要約

オーストリアの電力大手フェアブントとEVNがアルバニア北部のアシュタで建設した水力発電所が18日、稼動した。両社は同国での事業リスクが小さいとみて、今後も活動を拡大する方針だ。\ 両社の合弁子会社であるエネルギー・アシュ […]

オーストリアの電力大手フェアブントとEVNがアルバニア北部のアシュタで建設した水力発電所が18日、稼動した。両社は同国での事業リスクが小さいとみて、今後も活動を拡大する方針だ。

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両社の合弁子会社であるエネルギー・アシュタは2億1,300万ユーロを投資。30カ月のスピード工事で発電所の稼動を実現した。10万世帯の需要に相当する電力を供給できるという。

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18日に稼動したのは第一水力発電所で、5キロ下流の第二発電所は来年初めに操業を開始する。2発電所合わせて年間2億4,000万キロワット時を供給する。

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今回のプロジェクトは「建設、所有、運営、移転方式(BOOT方式)」で進められている。フェアブントとEVNは35年間、発電所を所有し運営する。その後、アルバニア政府に所有権が移ることになる。

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最初の15年については国営電力会社KESHへの電力供給が決まっている。その後は供給契約を延長するか、市場で電力を販売するかのいずれかとなる。

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アルバニアの電力調達価格はメガワット時当たり60ユーロとオーストリアよりも高い。それでも投資を回収するには20~25年かかる見通しだ。

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両社は大きな投資リスクはないとみている。EVNはその根拠として、経済危機の間もブルガリアでの電力消費が縮小せず、エアコンの普及などでかえって増える傾向にあることを挙げた。

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両社が2011年に合計3,000万ユーロの償却処理を行ったことについては、各国のリスクを考慮に入れただけで、具体的に危機を予測しているわけではないとしている。

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EVNはすでに次のアルバニア・プロジェクトに取り掛かっている。ノルウェーのスタットクラフトと合弁で、南部のデヴォル川沿いに3発電所を建設し、2017年から稼動する予定だ。

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■エーオンがトルコ電力会社株を買収か

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一方、独エーオンがフェアブントからトルコの電力会社エネルジサの株式50%を取得する意向と伝えられていることについて、フェアブントのアンツェングルーバー社長は「ノーコメント」と話した。ただ、買収に関心がある企業は存在すると認めており、両者の間で交渉が進んでいるもようだ。

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