オーストリアの化学企業ドナウ・ヒェミーは26日、ハンガリー北東部カジンツバルツィカにある万華ボルショドケムの敷地内で新工場の定礎式を行ったと発表した。ドナウ・ヒェミーがハンガリーに生産拠点を置くのはこれが初めて。来年4月から水処理用剤の生産を開始し、中東欧に出荷する。投資規模などは公表されていない。
\生産するのは、塩化第二鉄(FeCl3)と塩化アルミニウム(PAC)。中東欧地域では2015年までに、環境水質基準の達成を求める欧州指令(2008/105/EC)の遵守が求められている。このため、ドナウ・ヒェミーは水処理用剤の需要が着実に伸びると見込んでいる。
\今回の工場建設は、万華ボルショドケムが入札を通じて投資者を募集したもので、同社のトルエンジイソシアネート工場から出る塩酸を加工するのが目的だ。
\ドナウ・ヒェミーは本国オーストリアのほか、イタリア、ドイツ、チェコ、スロバキア、ハンガリー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、米国で事業を展開している。
\万華実業は2010年6月にボルショドケム株38%を取得。昨年2月には残り株取得のオプションを行使して、株式保有率を96%まで引き上げ、子会社化した。(東欧経済ニュース2011年10月5日号「中国化学メーカーの新工場稼働」、同2月9日号「中国の化学大手、ボルショドケムを買収」を参照)
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