ガスプロムは23日、ヤマル半島ボバネンコボ鉱区における天然ガスの商業生産を開始したと発表した。同時に、送ガスインフラの基幹を成すボバネンコボ・ウフタ・ガスパイプラインも稼動した。
\ヤマル半島は、西シベリア・チュメニ州のナディム・プル・タズに代わってロシアの主力鉱区となる見通しだ。ヤマル半島および隣接する海底鉱区におけるガス埋蔵量は推定で26兆5,000億立方メートルに上る。2030年までに最大で年間3,600億立方メートルの生産が可能になるという。
\ボバネンコボは4兆9,000億立方メートルとヤマル半島で最大のガス埋蔵量を誇る。今回稼動した生産ユニットは年間300億立方メートルの処理能力を持つ。今後、次第に規模を拡大し、来年には最大460億立方メートル、2017年には1,150億立方メートルの生産を計画する。これは、現在の国内ガス生産の17%に当たる。ガスプロムでは将来的に1,400億立方メートルまで能力を引き上げることが可能とみている。
\ウフタへのガスパイプラインは1本目が完成しており、バイダラツカヤのコンプレッサー・ステーションが稼動した。2本目のパイプラインおよび8つのコンプレッサー・ステーションは2016年までに完成する。
\ヤマル半島プロジェクトは長く厳しい冬、永久凍土、夏の沼沢地化など、気候・環境面で難しい条件の下で実行に移された。ウフタへのパイプライン敷設にとどまらず、道路・発電設備・鉄道・空港などのインフラも整備した。
\ \■ヤマル・ネネツ自治州と協力継続
\ \ミレル社長は、商業生産開始を記念する式典に参加したヤマル・ネネツ自治州のコビルキン知事と会談した。両者は、同州におけるガスプロム・プロジェクトのこれまでの成果を確認し、来年の提携協定に署名した。
\協定では、これまでと同様、ヤマル半島の陸上・海底鉱区開発とガス輸送システムの拡大を優先課題と位置づけた。また、同州におけるガス利用の促進を共同で推進していく方針を確認した。
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