2012/11/14

ロシア

サウス・ストリーム・パイプライン、来月7日着工へ

この記事の要約

ロシア政府の肝いりでガスプロムが推進する黒海ガスパイプラインプロジェクト「サウス・ストリーム」が来月7日、着工する。通過国における建設許可や建設資金確保が完了していない中のスタートで、業界関係者を驚かせている。12日付の […]

ロシア政府の肝いりでガスプロムが推進する黒海ガスパイプラインプロジェクト「サウス・ストリーム」が来月7日、着工する。通過国における建設許可や建設資金確保が完了していない中のスタートで、業界関係者を驚かせている。12日付の独『シュピーゲル』誌が伝えた。

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「サウス・ストリーム」は、欧州連合(EU)の支援を受けて進められている「ナブッコ・パイプライン」計画に対抗するもので、ロシア産のガスを黒海・トルコを経由して南欧へ運ぶことを目的とする。総延長は1,455キロメートル、総工費は160億ユーロに上る。2015年に稼動、最大で欧州ガス需要の35%に当たる630億立方メートルを輸送する予定だ。

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「ナブッコ」計画は大きく遅れており、「サウス・ストリーム」が先に送ガスを開始すれば、採算が取れなくなるのは必至だ。

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一方、欧州委は今年9月、競争法違反の疑いでガスプロムに対して正式な調査を開始した。さらに、ガス生産事業と運送事業の分離を強く求めている。これらの問題の行方がガスプロムの欧州事業に大きな影響を与えかねないという点からも、サウス・ストリームの早期着工は専門家の目には意外と映ったもようだ。

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