ロシア移動通信2位のメガフォンは28日、ロンドンとモスクワの両証券取引所で株式を公開した。売り出し価格は当初設定幅の下限である20米ドルにとどまり、調達資本は17億ドルとなった。それでも欧州で今年最大の上場規模となった。
\売り出し価格を基にしたメガフォンの時価は111億ドルで、競合1位のMTSを約30%、3位のビンペルコムを25%下回っている。メガフォンの業況は好調だが、証券市場の動きが流動的なため、あえて価格を抑えて上場に臨んだ。
\今回の株式公開は、メガフォンの経営をめぐるアリシェル・ウスマノフ氏とミハイル・フリードマン氏の対立に決着をつけるために結ばれた株主間協定に基づくものだ。フリードマン氏は4月に持ち株を手放し、今回はメガフォンとテリアソネラが保有する発行済み株式が売り出された。これにより、ウスマノフ氏の出資比率は55.8%、テリアソネラは約29%、市場流通株は約15%となった。
\ロンドンでの市場取引の初日終値は2%安の19.6ドル、モスクワでも3.1%安の630ルーブル(20.4ドル)と低調だった。しかし、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが28日夕、今月12日付でメガフォン株をMSCIロシア株価指数と、MSCIスタンダード指数のラージキャップ指数に採用すると発表。機関投資家の需要が高まり、上昇に転じている。(東欧経済ニュース4月25日号「メガフォン、20億ドル融資で銀行団と合意」、4月18日号「移動通信メガフォンの出資構成変更か、株主間で交渉中」を参照)
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