2013/2/6

ロシア

2012年成長率3.4%に減速、構造改革が課題

この記事の要約

ロシア連邦統計局(ロススタット)が7日発表した2012年の国内総生産(GDP、推定値)は前年実績から実質3.4%の上昇にとどまった。2010、11の両年の成長率はいずれも4.3%で、減速傾向が明らかだ。国際通貨基金(IM […]

ロシア連邦統計局(ロススタット)が7日発表した2012年の国内総生産(GDP、推定値)は前年実績から実質3.4%の上昇にとどまった。2010、11の両年の成長率はいずれも4.3%で、減速傾向が明らかだ。国際通貨基金(IMF)は2012年の新興諸国の平均成長率を5.5%と推定しており、これに比べても大きな遅れをとっている。

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先月中旬にロシアを訪れたIMFの専門家は、ロシアにおける改革が部分的には前進しているものの、大規模な構造改革を迅速に実施しなければならないことに変わりはないと指摘した。課題は◇汚職対策◇司法国家の確立◇経済に対する政府の影響縮小――など、従来のままだ。

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また、工業界が生産能力の限界に近づいていること、失業率が5.3%と低いことを挙げ、構造改革なしには大きな成長は図れないと付け加えた。

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IMFはロシア金融業界について、個人向け無担保融資の急増というリスクはあるものの、資産・経営の強化に成功したと評価した。GDPの3分の1、輸出の3分の2を石油・ガスへ依存する事実からも、金融システムの安定化は歓迎できるとの立場だ。

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