チェコの農業・食品・化学大手アグロフェルトは25日、イタリアのパスタ大手バリラから独製パン子会社リーケンを買収した。ドイツ食品事業を強化する狙い。取引額などの詳細は明らかにしていない。買収成立には欧州競争当局の承認が必要となる。
\バリラは2002年、リーケンの前身で、経営難に陥っていたカンプスを18億ユーロで買収した。しかし、財務再建に巨額の費用が必要となるなど、グループの負担が増大したことを受けて09年、パン小売事業を独金融投資家ECMエクイティ・キャピタル・マネジメントに約5,000万ユーロ(推定)で売却したほか、昨年6月にはパスタ・ソース・調理済み食品およびブランド食品事業に集中する戦略を発表。リーケンの売却先を探していた。
\リーケンは「ゴールデン・トースト」、「ウアコルン」などのブランドを持つほか、スーパーマーケットのプライベートブランド向けにパンなどを製造する。昨年は4,700人の従業員で7億5,600万ユーロの売上高を計上した。
\アグロフェルトは年商が55億ユーロを超え、同社によるとチェコ国内シェアは3位。05年に国内の製パン会社ペナムを買収して食品部門に進出し、07年に冷凍パン事業のプロフロストを立ち上げたほか、10年にはハンガリー製パン業ツェレシュ(CERES)を買収した。
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