ラトビアの三大港湾(リガ、ベンツピルス、リエパヤ)の2012年の貨物取扱量は、国内および近隣諸国の景気回復が追い風となり、前年比9.3%増の7,520万トンに増加した。港湾別取扱量の内訳はリガが50%、ベンツピルスが40%、リエパヤが10%だった。
\ラトビアの港湾はロシアの石油と石炭などのばら積み貨物の重要な中継点となっている。コンテナ貨物の取扱も近年増加傾向にあるが、取扱量そのものはまだ少ない。昨年のリガ港のコンテナ貨物取扱量は36万2,000TEUと前年から19.6%増加したが、取扱量全体に占める割合は10%だった。ベンツピルスは25万TEU、リエパヤは4.120TEUのコンテナ貨物処理能力がある。
\ロシアなど独立国家共同体諸国の貨物輸送の中継拠点としてのラトビアは、ロシア、バルト諸国、フィンランド南部の港湾との激しい競争にさらされている。中でも将来的に最大の脅威となると見られるのが、現在ロシアで建設中の巨大港、ウスチ・ルガ港だ。フィンランド湾に面する同港は、貨物処理能力が1億8,000万トンと、欧州三大港湾のひとつであるハンブルク港の昨年の取扱量(1億3,100万トン)を上回る。2012年の世界銀行のロジスティクスパフォーマンス指数 (LPI) でラトビアは76位と、ロシアの95位を上回ったものの、フィンランド(3位)、リトアニア(58位)、エストニア(65位)など周辺国を下回った。
\ラトビアの港湾は競争力を高めるためインフラ投資を積極的に行なっている。リガ港は20年までに11億ユーロを投じてインフラを整備する。また、5億4,900万ユーロのEU補助金を利用して14年までにリガから東部への鉄道路線を電化する計画だ。
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