オーストリア・テレコムがセルビアのケーブルテレビ(CATV)事業者セルビア・ブロードバンド(SBB)に食指を動かしている。東欧事業の強化が目的。同社は一昨年にセルビア・テレコムの買収を目指したが、挫折している。
\ブルームバーグ通信が消息筋の情報として報じたところによると、オーストリア・テレコムはSBB売却先候補の選考に一旦もれたが、改めて買収競争に参加したという。他には米プロビデンス・エクイティ・パートナーズ、英シンベン・アドバイザーズなど投資会社のほか、ルクセンブルグのCATV事業者Altis Fincoが獲得を狙っているもようだ。
\SBBは英投資会社のミッド・ヨーロッパ・パートナーズが所有する。セルビア以外にスロベニアでも事業を展開しており、買収額は約10億ユーロと予想される。買収に成功した場合、オーストリア・テレコムは新株発行で資金を調達するとみられる。同社にはオーストリア政府が約28%出資しており、新株発行時には発行数の25%以上を国が取得しなければならない。
\オーストリア・テレコムはセルビア、ブルガリア、クロアチア、スロベニアで携帯電話事業を展開する。固定・携帯電話、高速ネット、テレビ放送の全サービスを一手に提供する戦略で、クロアチアでもCATV会社など関連企業を買収している。
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