中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2013/10/23

総合・マクロ

東欧からの移民続く、高学歴層中心に

この記事の要約

東欧からの頭脳流出が続いている。若く、高学歴の人を中心に、経済的理由による移民が後を絶たない。ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどで深刻な問題となっているが、国を離れる事情はそれぞれ異なっているようだ。\ \ ■若年層 […]

東欧からの頭脳流出が続いている。若く、高学歴の人を中心に、経済的理由による移民が後を絶たない。ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどで深刻な問題となっているが、国を離れる事情はそれぞれ異なっているようだ。

\

\

■若年層が移住=ポーランド

\

\

ポーランド中央統計局(GUS)によると、2012年末現在、国外で暮らすポーランド人は213万人に上る。11年と比べると7万人、10年と比べると20万人も増加した。うち、外国滞在期間が1年を超える人は130万人と半数以上を占めている。

\

年齢別では25~34歳が72万6,000人で、若年層の9人に1人が外国で暮らしている計算だ。この年齢層は失業していたり、働いていても収入が低かったりで、44%が親との同居を余儀なくされている。このため、経済的な自立を求めて故郷を離れる例が多い。

\

行先は英国(63万人)、ドイツ(50万人)が多い。増加率が高いのは北欧諸国で、ノルウェーは過去3年で44%増えて6万5,000人に、スウェーデンは22%増えて3万8,000人に上っている。

\

\

■将来に失望=ブルガリア

\

\

ブルガリアでは過去23年間に約160万人が国外へ移住した。最近の調査でも国民の23%が「機会があれば移住する」と回答しており、さらにその60%はブルガリアへ帰らなくてもよいと考えている。

\

ここでも理由は経済的なものだ。景気の低迷、社会的貧困に加え、汚職やコネ社会で将来への希望が持てないことも動機となっている。

\

移住先としては、以前の米国、カナダに代わって、最近は英国、ドイツ、スペイン、ギリシャ、イタリアが増えている。

\

\

■10年で人口12%減=ルーマニア

\

\

2011年の国勢調査によると、ルーマニア人口は1,904万人で、10年前に比べて260万人も減少した。1992年比では340万人減った。

\

1年以上外国で暮らす人は230万人に上る。移民者の70%は20~45歳で、ルーマニアの国家・年金財政に与える影響は見逃せない。

\

統計には出てこないが、収穫期にスペインやイタリアに数カ月単位で出稼ぎに行く人もかなりの数に上っている。

\