中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2013/11/27

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチアの建設業界、苦境続く

この記事の要約

クロアチアの建設業界は不振が続いている。2008年から12年にかけて、同国の建設活動は年10%のペースで縮小した。商業用不動産、住宅ともに低迷しており、今後も回復への道のりは険しそうだ。\ 不動産サービス大手コリアーズの […]

クロアチアの建設業界は不振が続いている。2008年から12年にかけて、同国の建設活動は年10%のペースで縮小した。商業用不動産、住宅ともに低迷しており、今後も回復への道のりは険しそうだ。

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不動産サービス大手コリアーズの調べによると、2013年の首都ザグレブのオフィス延床面積は120万~130万平方メートルだった。13年上期の新規供給面積は3万平方メートルで、14年末までに7万5,000平方メートルが新たに供給される見通しだ。1平方メートル当たりの賃貸料は高級物件で15ユーロ、それ以外は10ユーロ程度と横ばい傾向が続いている。オフィスの空室率は上昇しており、来年は17%を超えると見られている。

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ショッピングセンターの新規建設はスラヴォンスキ・ブロドなどの中規模都市に集中しており、ザグレブでは大型商業施設の開業は見られない。ザグレブのショッピングセンターの総売場面積は45万平方メートルで、賃貸料は1平方メートル当たり20~23ユーロが平均だが、中心部の路面店では80ユーロに跳ね上がる。

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一方、クロアチアのEU加盟によって活性化が期待できるのは物流不動産だ。同国は西欧と東欧へのゲートウェイとして好立地にあり、新たに物流拠点を設ける企業が増えると期待されている。物流不動産の賃貸料は立地条件の良い所では平均で1平方メートルあたり5~6.5ユーロ、それ以外は3~4.5ユーロとなっている。主な物流パークにはスヴェタ・ネジェリャ、ヤストレバルスコ、スヴェタ・ヘレナ、ルグヴィツァなどがある。

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