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2013/12/18

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

スロベニア銀の資本不足は48億ユーロ、EUへの金融支援要請は回避

この記事の要約

スロベニア中央銀行は12日、国内銀行が総額47億7,800万ユーロの資本不足に陥っていることを明らかにした。ただ、公的資金注入などによって対応する方針を打ち出しており、ギリシャなどに続いて欧州連合(EU)への金融支援要請 […]

スロベニア中央銀行は12日、国内銀行が総額47億7,800万ユーロの資本不足に陥っていることを明らかにした。ただ、公的資金注入などによって対応する方針を打ち出しており、ギリシャなどに続いて欧州連合(EU)への金融支援要請を迫られる事態は回避できる見通しだ。

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2007年にユーロを導入したスロベニアの銀行は、不動産バブル崩壊で不良債権が急増している。政府は2008年からこれまでに、3銀行に総額約10億ユーロの公的資金を注入したが、財政が悪化しているためさらなる支援は困難。ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、キプロスに続いてEUに金融支援を求める状況に陥る懸念が浮上していた。

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判明した資本不足の額は、政府がEUの指示により、4社の民間コンサルタント会社に委託して実施したストレステスト(資産健全性審査)の結果に基づくもの。中銀のヤズベツ総裁によると、国営ノバ・リュブリャナ銀行(NLB)、ノヴァ・クレジトナ・バンカ・マリボール(NKBM)、アバンカの大手3行については、30億1,200万ユーロの公的資金を注入するほか、債権者に4億4,100万ユーロを負担させる。公的資金注入は欧州委員会の承認を経てから、即座に実施する。その他の中小5行は2014年6月までに市場から総額約11億ユーロを調達する形で資本を増強する。

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欧州委員会のレーン委員(経済通貨問題担当)は今回の発表について「スロベニアが金融セクターの再建をEUの支援に頼らず進めることができることが明らかになった」と歓迎の意を表明した。

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