エストニアで大手外国企業の撤退が相次いでいることに対する懸念が広がるなか、著名ジャーナリストが政府に政策転換を迫る論文を発表し、話題を読んでいる。
\エストニアでは最近、メディア大手のシブステッドとキルヤカウッパ、エネルギー大手のエーオンとダルキア、建設大手スカンスカ、金融大手ウニクレディトなど大手外国企業が相次いで撤退を表明している。有力週刊紙『エースティ・エクスプレス』の発行人でジャーナリストのルイク氏は先ごろ発表されたエストニア協力機構への寄稿論文の中で、多くの大手外国企業がエストアニアから撤退、あるいは事業を縮小していることに憂慮を表明。エストニアを含むバルト三国は、少子高齢化の進行などにより国際的な大企業からの投資を誘致するための最低規模(クリティカルマス)を達成できないと指摘し、「緊急事態を宣言すべき時に来ている」と警鐘を鳴らした。そして、政府に対しては従来の保守的財政方針を転換し、積極財政による公共事業の推進や雇用拡大政策によって魅力ある投資環境を創出すべきだと主張した。
\こうしたルイク氏の主張に対し、アンシップ首相は6日、エストニアの対内直接投資の対国内総生産(GDP)比率は86%と、ラトビアとリトアニアの40%を大きく上回っている指摘。「エストニアから外資が離れていくという心配は必要ない。去る企業よりも入ってくる企業の方が多い」と反論した。
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