2014/5/7

チェコ・スロバキア

チェコのゼマン大統領、EU再可エネ目標案を拒否

この記事の要約

チェコのゼマン大統領は4月29日、欧州連合(EU)の欧州委員会の提案する再生可能エネルギー強化目標の受け入れは難しいとの立場を表明した。同時に、二酸化炭素(CO2)排出削減目標には賛成し、原子力発電でこれを実現する姿勢を […]

チェコのゼマン大統領は4月29日、欧州連合(EU)の欧州委員会の提案する再生可能エネルギー強化目標の受け入れは難しいとの立場を表明した。同時に、二酸化炭素(CO2)排出削減目標には賛成し、原子力発電でこれを実現する姿勢を示した。

欧州委は2020年の環境目標に続く指針として、2030年の気候変動・エネルギー目標案を策定。加盟国に(1)CO2排出量を1990年比で40%削減(2)再可エネ比率を27%まで拡大――を義務付けたい方向だ。

ゼマン大統領の発言はこれに対するもので、(1)については支持する立場を確認。その上で、達成に向けては原子力を活用する方向性を示した。理由として、◇再可エネは供給が不安定◇バックアップ電力の確保や送電インフラの整備が必要――を挙げた。

ソボトカ首相も大統領と同意見で、年内に新たな長期原子力開発政策をまとめる予定だ。

チェコ国営電力CEZは先月、電力価格下落と政府による価格保証の欠如を理由に、テメリン原発拡張計画を凍結したばかり。しかし、ドゥコヴァニ原発での新炉設置や、テメリンを含めた既存原子炉の稼動延長など、他の形での原子力利用に向けた検討・準備作業がすでに始まっている。