2014/4/30

コーヒーブレイク

ウクライナからの輸入縮小~ロシア

この記事の要約

ロシアとウクライナの関係悪化で両国の取引関係にも影響が出始めている。ウクライナにとり、ロシアは最大の輸出相手国。輸出額の25%を同国が占めている。ロシアではウクライナから調達してきた製品を国産品でまかなう動きが強まってお […]

ロシアとウクライナの関係悪化で両国の取引関係にも影響が出始めている。ウクライナにとり、ロシアは最大の輸出相手国。輸出額の25%を同国が占めている。ロシアではウクライナから調達してきた製品を国産品でまかなう動きが強まっており、ウクライナの国内総生産(GDP)を1~2%押し下げる可能性もあるという。

ロシア当局によると、今年1月のウクライナからの輸入額は5億ユーロと、前年同月から37%減少した。一方、ロシアの輸出額に占めるウクライナの割合は5.4%に過ぎず、影響は限定的だ。主にウクライナから調達してきた鉄道車両や鉄筋、非鉄金属パイプ、紙製品、土木資材などは国内企業の増産で補えるとみられている。

では、ウクライナのほうが一方的に立場が弱いかというとそうでもない。ロシアが国内企業では調達できない唯一の製品がある。ロシア軍ミルの戦闘ヘリコプターに採用されているエンジンがそれだ。ウクライナのモトール・シーチから調達するエンジンは、国内生産に切り替えるまでに少なくとも2~3年を要するとみられている。このため、受注済みの「Mi-8」、「Mi-24」の納期を守るには両国の関係企業の協力が不可欠だ。戦闘ヘリコプターが緊張緩和に一石を投じるかもしれないというのは、いささか皮肉なことかもしれない。