ロシアの国営天然ガス大手ガスプロムが4月29日発表した2013年通期決算(国際会計基準:IFRS、監査済み)の最終利益は1兆1,393億ルーブルで、前年同期比7%減となった。ルーブル下落による為替差損が利益を圧迫した。売上高は5兆2,500億ルーブルで10.1%の大幅増だった。
地域別のガス販売量は、欧州・その他の地域(日本、韓国、中国)が1,743億立法メートルで、15.4%の大幅増となった。一方、国内販売量は8.3%減の2,433億立方メートル、ロシアを除く旧ソ連圏でも10.1%減の594億立方メートルに落ち込んだ。
1,000立法メートル当たりのガス販売価格(関税込)は欧州・その他の地域が平均12,138ルーブル(前年:11,970ルーブル)、国内が3,265ルーブル(同2,868ルーブル)、旧ソ連圏が8,500ルーブル(同9,490ルーブル)だった。
ガス売上高は欧州・その他の地域が販売量拡大と価格上昇の相乗効果で14.5%増の1兆6,828億ルーブルに拡大した。国内は販売が落ち込んだものの平均14%の価格上昇により4.4%増の7,943億ルーブルを確保した。旧ソ連圏は販売不振と価格低下で前年を20.6%も下回る4,203億ルーブルに減少した。
今年はロシアのウクライナ紛争介入に対する制裁拡大により経済や金融市場が打撃を受け、自社を含めて企業業績に悪影響が及ぶリスクがあると見ている。
(1RUB=2.87JPY)