2014/5/28

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコ中銀が政策金利引き下げ、政治圧力の可能性も

この記事の要約

トルコ中央銀行は22日に開いた金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を0.5%引き下げ9.5%とすることを決めた。利下げは1月の大幅な利上げ以来初めて。市場ではインフレ圧力を踏まえ金利を据え置くとの見方が優 […]

トルコ中央銀行は22日に開いた金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を0.5%引き下げ9.5%とすることを決めた。利下げは1月の大幅な利上げ以来初めて。市場ではインフレ圧力を踏まえ金利を据え置くとの見方が優勢だっただけに、今回の決定は意外感をもって受け止められている。市場金利の上限となる翌日物貸出金利は12%に、下限となる翌日物借入金利は8%にそれぞれ据え置かれた。

中銀は利下げの理由について、「不確実性の低下とリスクプレミアムを示す各指標の改善によって、市場金利が低下しているため」と説明した。その一方で、4月のインフレ率が前月を0.99ポイント上回る9.38%となるなど依然として高いことも指摘。金融引き締め策はインフレ見通しが大きく改善するまで継続する方針を示した。

市場関係者の間には、今回の利下げの背景に政治的な圧力があるとの見方が広がっている。中銀は1月、リラ安を食い止めるために利上げに踏み切った。これに対しエルドアン首相は4月、「中央銀行は利下げの臨時会合を開くべきだ」と発言するなど利下げ圧力を高めていた。

利下げ要求の背景にあるのは8月の大統領選挙だ。大統領はこれまで、議会投票で選出されていたが、8月の選挙からは国民投票で選ばれるようになる。エルドアン首相は同選挙に出馬することが確実視されており、利下げによる経済成長で国民の支持を拡大するねらいとみられる。