2014/5/28

ロシア

ロシアからの資金流出が減速=ナビウリナ連銀総裁

この記事の要約

ロシア連邦銀行のナビウリナ総裁は23日、同国からの資金流出が4月になって大きく減速したと発表した。1-3月が合計630億米ドル(470億ユーロ)だったのに対し、4月は46億ドル(34億ユーロ)にとどまったという。今後も流 […]

ロシア連邦銀行のナビウリナ総裁は23日、同国からの資金流出が4月になって大きく減速したと発表した。1-3月が合計630億米ドル(470億ユーロ)だったのに対し、4月は46億ドル(34億ユーロ)にとどまったという。今後も流出額は減少し、年間では850億~900億ドル(620億~660億ユーロ)になると予測している。

同総裁は、通貨ルーブルの下落を懸念する企業や個人が外貨を購入したのが理由とみる。その上で、ルーブルは年初から3月半ばまでに10%下落したが、連銀が実施した180億ユーロ規模のルーブル買い介入で為替レートが安定。以来、7%上昇したという。

クレパッチ副経済相は通年で900億ドルを見込む経済省の予測を改めて確認した。一方で、民間投資家や米財務省はこれよりずっと大きな額を見込んでいる。ロシアのクドリン前財務相は先ごろ、1,600億ドルに達する可能性もあると警告したばかりだ。

英『テレグラフ』紙によると、4月の流出にブレーキがかかった背景には、ロシアでの商機を狙うアジア・中東諸国の政府系ファンドの存在がある。欧米諸国との関係悪化で、それ以外の国がロシア政府との合弁に参加できる可能性が大きく高まったためだ。これらの政府系ファンドは、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム(SPIEF)の開催を前に、総額3兆ドルの資金を用意したという。欧米諸国の意向に反して、実際にどれほどのプロジェクトが実施されるかは、今後の世界政治を占う1つの試金石になる。