2014/6/4

総合・マクロ

中東欧の投資先魅力度、ポーランドが1位=E&Y調査

この記事の要約

大手会計事務所のアーンスト&ヤング(E&Y)が5月27日公表した最新の『欧州魅力度調査』によると、中東欧諸国(含トルコ、除ロシア)で直接投資(FDI)の対象として最も人気が高いのはポーランドで、回答者の31%が […]

大手会計事務所のアーンスト&ヤング(E&Y)が5月27日公表した最新の『欧州魅力度調査』によると、中東欧諸国(含トルコ、除ロシア)で直接投資(FDI)の対象として最も人気が高いのはポーランドで、回答者の31%が「魅力的」と答えた。これにチェコ(11%)、ルーマニア(9%)が続いた。前年3位だったハンガリーは4位に下がった。

前年からの動きをみると、ポーランドとチェコの人気が下降しているのに対し、トルコとルーマニアが追い上げている。この傾向が続けば、ルーマニアは来年にもチェコを追い越す可能性がある。

昨年始動したFDIプロジェクトの件数をみると、ロシアが114件で、ポーランド(107件)を追い越して首位に返り咲いた。トルコは3%増の98件で3位。以下、セルビア(63件)、チェコ(60件)と続いた。

FDIによる雇用創出数では、ポーランドが1万3,862人で1位。以下、ロシア(1万3,621人)、セルビア(1万2,19人)、トルコ(8,776人)、ルーマニア(6,157人)の順だった。

中東欧全体(含ロシア、トルコ)でみると、プロジェクト件数は5%近く縮小、FDIによる雇用創出も4%減少した。経済の伸びが鈍く、安定していないことがその理由だ。

金融危機前の2004~08年と09~13年のそれぞれ5年間を比べると、FDIプロジェクト数は12.2%減、雇用創出数は30.2%減となり、西欧(それぞれ19.4%増、13.1%減)よりも打撃が大きかったことがうかがえる。◇消費者金融に頼る内需の弱さ◇債務危機にゆれる欧州諸国が中東欧FDIの75%を担っていた――ことなどがその背景にある。ロシア、トルコ、セルビアを除くと全ての国で投資件数が減少した。

『欧州魅力度調査』はE&Yが毎年まとめているもので、今回が12回目。設備新設・雇用創出につながったFDIに対象を絞っている。聞き取り調査では、世界808社の経営首脳の意見を集計した。これら808社のうち、欧州企業か、欧州に拠点を持つ企業が81%を占める。

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
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