2014/6/18

ロシア

独ダイムラー、乗用車現地生産でロステクノロジーと交渉

この記事の要約

独ダイムラーがロシアでの乗用車工場の設置に向けて、国営産業持ち株会社ロステクノロジーと交渉しているもようだ。官公庁による輸入車購入禁止の動きがあることを受けたものとみられる。現地ニュースサイト「RCBデイリー」の報道とし […]

独ダイムラーがロシアでの乗用車工場の設置に向けて、国営産業持ち株会社ロステクノロジーと交渉しているもようだ。官公庁による輸入車購入禁止の動きがあることを受けたものとみられる。現地ニュースサイト「RCBデイリー」の報道として内外メディアが伝えた。

具体的には、商用車生産で提携するカマズと「メルセデスベンツ・Sクラス」を共同で生産することを検討している。カマズの筆頭株主であるロステクノロジーに近い筋によると、合弁会社を設立し、タタルスタン共和国にあるカマズの本社工場で「Sクラス」を製造する計画。セミノックダウン(SKD)方式を採用し、部品の現地調達比率が4~5割になる可能性もあるという。計画案は、来月中旬にダイムラーの取締役会に諮られる見通しだ。

ダイムラーはカマズに11%出資し、同社工場でトラックを生産する。また、GAZのニージニー・ノヴゴロド工場ではデリバリーバン「スプリンター」を製造する。しかし、乗用車はまだ現地生産しておらず、同じドイツの高級車ブランドであるBMW、アウディに後れを取っている。2004年に一度、サンクト・ペテルブルグでの乗用車工場設置を計画したが、採算の見通しが立たず、実施には至らなかった。

ロシア政府は同国および関税同盟加盟国(ベラルーシ、カザフスタン)以外で生産された自動車を官庁が調達するのを禁止することを検討中。高級官僚はBMWやメルセデスなどの高級車を好む傾向にあり、実現すれば国外で生産しているダイムラーにとって不利になることは確かだ。(東欧経済ニュース4月9日号「ダイムラー、ロシアで乗用車生産を検討」を参照)