2014/6/25

総合・マクロ

伊エネル、東欧事業売却へ

この記事の要約

伊電力大手エネルが債務縮小に向け、東欧事業を売却する方針だ。消息筋の情報として複数のメディアが伝えたところによると、先月に就任したスタラチェ新社長はすでに複数の金融機関に対し、スロバキア子会社の売却業務を発注した。このほ […]

伊電力大手エネルが債務縮小に向け、東欧事業を売却する方針だ。消息筋の情報として複数のメディアが伝えたところによると、先月に就任したスタラチェ新社長はすでに複数の金融機関に対し、スロバキア子会社の売却業務を発注した。このほか、ロシア発電子会社OGK-5とルーマニア資産1件を手放すようだ。

スロバキア電力(SE)株66%の売却では、すでにロシア原子力公社(ロスアトム)やチェコCEZ、中国企業が買収に名乗りをあげているという。

エネルは2005年に8億4,000万ユーロでSE株を取得した。出資条件として義務付けられた原発プロジェクトへの投資額が膨らみ、負担が大きくなっている。市場アナリストは、SEの時価を38億~40億ユーロと推定している。

エネルはスペインのエンデサ買収が重荷となり、3月末の純債務が約415億ユーロに上っている。これは欧州公益企業の中で最も多い。これまでに、資産売却で年内に44億ユーロ減らす目標を明らかにしている。

欧州では再生可能エネルギーの発電能力が高まると同時に、電力需要が縮小しており、電力企業の経営が難しくなっている。(4月16日号「伊エネルとスロバキア政府、モホウツェ原発拡張に4億ユーロ追加投資」を参照)