2014/7/2

総合・マクロ

テレコム・オーストリア、ブルガリア事業で4億ユーロ減損計上へ

この記事の要約

墺通信最大手のテレコム・オーストリアは6月25日、ブルガリア事業(モビルテル)で4億ユーロの減損処理を実施すると発表した。同国通信市場の厳しい状況と資本調達コストの膨張を受けて収益見通しを見直した結果と説明している。市場 […]

墺通信最大手のテレコム・オーストリアは6月25日、ブルガリア事業(モビルテル)で4億ユーロの減損処理を実施すると発表した。同国通信市場の厳しい状況と資本調達コストの膨張を受けて収益見通しを見直した結果と説明している。市場関係者の間ではテレコム・オーストリアが14年決算で赤字を計上するとの見方が強い。

テレコム・オーストリアが定期的に実施している企業価値評価で、モビルテルの加重平均資本コスト(WACC)が2013年第4四半期に比べ20%上昇していることが明らかになった。また、ウクライナ危機の影響でブルガリア経済と同国の電気通信市場が中期的に悪化し、モビルテルの業績不振が強まる公算が高まった。スタンダード&プアーズは13日、同国の長期信用格付けを「BBB」から「BBBマイナス」に引き下げている。

モビルテルは業績が低迷しており、13年の営業利益は前年の4分の3に縮小。14年に入っても回復の兆しはなく、第1四半期の営業利益は前年同期比で9%後退した。

市場関係者は、テレコム・オーストリアの14年通期最終損益を減損計上前ベースで1億3,000万ユーロの黒字と予想していた。4億ユーロの減損を実施すると、2億7,000万ユーロの赤字となる計算だ。