2014/7/9

ロシア

米国の対ロシア輸出拡大、制裁の影響感じられず

この記事の要約

対ロシア制裁にも拘わらず、米国の対ロシア輸出高が増えている事実が、米商務省が3日発表した統計で明らかになった。米経済誌『フォーブズ』(オンライン版)が4日付で報じた。 商務省によると、5月の対ロシア輸出高は12億5,00 […]

対ロシア制裁にも拘わらず、米国の対ロシア輸出高が増えている事実が、米商務省が3日発表した統計で明らかになった。米経済誌『フォーブズ』(オンライン版)が4日付で報じた。

商務省によると、5月の対ロシア輸出高は12億5,000万米ドルに上り、単月の数字としては今年に入ってからこれまでで最高を記録した。前月は10億3,000万ドル、制裁を発動した3月は10億1,000万ドルだった。5月の貿易赤字は、ロシアからの輸入が前月を8.5%下回ったこともあり、9億300万ドルに縮小した。

1-5月の輸出高は51億ドルで、前年の同じ時期の45億ドルを6億ドル上回った。昨年は通年で111億ドルを輸出している。

米国の対ロシア取引は他のBRICS新興諸国と比べても規模が小さく、トルコとあまり変わらない水準にある。

米国は今年3月、ロシアによるクリミア半島併合を受けて、制裁を発動した。ただ、その対象はロシアの富豪とその傘下にある企業、ウクライナ東部の分離主義者を支援しているとみられる政治家など、一握りの人物・企業に限られている。

米国とともに欧州連合(EU)や日本なども制裁に踏み切ったことで、ロシアからの資本流出が加速、通貨ルーブルも下落し、ロシア経済は大きな打撃を受けた。しかし、最近では回復傾向を示しており、その効果が十分だったのかどうかについては今後の評価が待たれる。