2014/7/23

ロシア

ロシアの不動産投資が急減 景気減速や経済制裁が重しに

この記事の要約

ロシアの不動産投資が減少している。総合不動産サービスプロバイダーのジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)のまとめによると、上期の商業用不動産への投資額は約14億米ドルと、前年同期から59%減となった。四半期で見ると、1- […]

ロシアの不動産投資が減少している。総合不動産サービスプロバイダーのジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)のまとめによると、上期の商業用不動産への投資額は約14億米ドルと、前年同期から59%減となった。四半期で見ると、1-3月期は前年同期比73%減の5億4,500万ドル、4-6月期は36%減の8億4,200万ドルだった。

上期の商業用不動産投資の投資先はモスクワが85%と圧倒的に多く、サンクトペテルブルクが8%、その他の地域が7%だった。JLLのロシア・CISリサーチ部門の責任者を務めるマンディー氏は、ロシア経済の減速や通貨ルーブルのボラティリティーの高さ、ウクライナ情勢をめぐる対ロシア制裁などが投資家の心理を冷やしていると指摘する。

JLLは先ごろ、2014年通年のロシアの不動産投資額の見通しを70億ドルから34億ドルに大幅に下方修正した。マンディー氏は景気減速と通貨のボラティリティーは今後も不動産需要に悪影響を与え、経済制裁はさらにビジネスのリスクを高め外国投資家を遠ざける要因となると指摘。ただ、米国の不動産王トランプ氏やオーストリアの大手デベロッパー、インモフィナンツが昨今の情勢悪化にもかかわらずロシアでのビジネスに意欲を見せていることなど、明るい面もあると指摘。不動産市場は08年の金融危機後に再編が進み比較的健全な状態にあること、優良物件の供給が不足していることなどから来年には回復に向かうとの見方を示した。

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