2014/7/30

総合・マクロ

リトアニアのユーロ導入が最終承認、現通貨とユーロの交換率も決定

この記事の要約

EU加盟国は23日に開いた総務相理事会で、リトアニアが2015年1月1日に欧州単一通貨ユーロを導入することを最終承認した。これによって同国が悲願とするユーロ導入が正式決定し、ユーロ圏は19カ国体制に拡大する。 理事会では […]

EU加盟国は23日に開いた総務相理事会で、リトアニアが2015年1月1日に欧州単一通貨ユーロを導入することを最終承認した。これによって同国が悲願とするユーロ導入が正式決定し、ユーロ圏は19カ国体制に拡大する。

理事会では同時に、リトアニアの現行通貨リタスとユーロの交換比率を1ユーロ=3.4528リタスとすることも決めた。リトアニアが04年6月に参加したユーロ導入の前段階となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)での標準レートが採用された。

2004年にEUに加盟したリトアニアは当初、2007年のユーロ導入を目指し、06年に導入を申請したが、インフレ率に関する基準を満たせなかったため、申請が却下された経緯がある。さらに金融危機の影響で債務が膨らみ、導入基準達成が難航していた。しかし、ユーロ参加を悲願とする同国は、財政赤字削減、消費者物価安定などユーロ導入に必要な構造改革に取り組んだ結果、今年6月に欧州委員会から全基準を達成したと認定され、来年1月からのユーロ導入が欧州中央銀行(ECB)、欧州議会から承認されていた。

リトアニアは来年1月1日のユーロ導入と同時に、通貨をリタスからユーロに切り替える。同国政府は今後、ユーロ導入の具体的な手順を固め、通貨切り替えがスムーズに進むよう務める。

リトアニアはユーロ参加に伴い、ユーロ圏の銀行の監督をECBに一元化する制度に1月から参加する。また、監督一元化制度が始動する11月4日に先立ってECBが実施する銀行の資産査定とストレステスト(健全性審査)の検査対象に含まれる。

ユーロ圏は2002年1月、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、ギリシャ、アイルランド、ルクセンブルク、ポルトガル、オーストリア、フィンランドの12カ国で創設。その後にスロベニア、キプロス、マルタ、スロバキア、エストニア、ラトビアが加わり、現在は18カ国体制となっている。リトアニアの参加でバルト3国はすべてユーロ圏に組み込まれることになる。