2014/10/8

ロシア

ビール市場低迷で生産調整、インベブ醸造所閉鎖

この記事の要約

ロシアのビール市場の長期的な低迷で醸造会社が生産調整を迫られている。業界世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)は1日、シベリア地方アンガルスクの醸造所を閉鎖したと発表した。過去3年間で4拠点目の閉鎖となる。 […]

ロシアのビール市場の長期的な低迷で醸造会社が生産調整を迫られている。業界世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)は1日、シベリア地方アンガルスクの醸造所を閉鎖したと発表した。過去3年間で4拠点目の閉鎖となる。競合先カールスバーグの現地子会社バルティカも先ごろ、10ある醸造所のうち2拠点で生産を停止したことを明らかにした。

ロシア統計局が発表した国内のビール消費量は2013年に前年比8%減少し、今年上半期も前年同期比で7%落ち込んだ。バルティカのシェップス社長によると、過去4年間で市場は3割近く縮小した。同期間にはABIやハイネケンなどが合わせて7つの醸造所を閉鎖している。

ビールの消費が冷え込んだ最大の理由は物品税率が高いことだ。ウォッカなどアルコール度の高い蒸留酒の規制強化を追い風に人気が高まったビールだが、物品税率が10年に3倍に、去年さらに25%引き上げられた。蒸留酒の税率との差が1:1.4とかなり小さくなったため、消費者にはビールの割高感が強い。

夜11時以降、食料品店やキオスクでのアルコール飲料の販売が禁止されたことや広告規制による影響に加え、景気悪化で消費意欲が一般的に減退していることもビール市場の回復を妨げる要因になっているようだ。