2014/12/17

総合・マクロ

ロシアがインドとの関係強化へ、原発建設・エネルギー供給で合意

この記事の要約

ロシアのプーチン大統領は11日、訪問先のインドで同国のモディ首相と会談し、原子力発電所の建設やエネルギー資源、軍需分野での協力など幅広い分野で協力することで合意した。ウクライナ紛争で欧米との関係が悪化する中、対ロ制裁に同 […]

ロシアのプーチン大統領は11日、訪問先のインドで同国のモディ首相と会談し、原子力発電所の建設やエネルギー資源、軍需分野での協力など幅広い分野で協力することで合意した。ウクライナ紛争で欧米との関係が悪化する中、対ロ制裁に同調しないインドと長期的な友好関係を構築し、国際的な孤立からの脱却を図る。

両首脳は今後20年間で原発12基をインドに建設することで合意。プーチン大統領は「将来的に20基以上の原発を建設する用意がある」と述べ、同国への原発輸出に意欲を示した。ロシアからインドに天然ガスを輸出するために、パイプライン敷設に向けた共同調査を実施することも取り決めている。

ロシア石油大手の国営ロスネフチは同日、インドのコングロマリット、エッサール・グループに今後10年間、年1,000万トンの原油を供給する契約を締結した。2015年初頭から原油の輸出を開始する予定で、ロシアの政府系銀行VTBバンクは同グループに10億ドルの融資枠を設定した。

軍需面ではプーチン大統領がモディ首相に、ロシア製の戦闘ヘリコプターをインド国内で生産することなどを提案。同首相は「ロシアは最も重要な防衛パートナーだ」と述べ、歓迎の意を示した。

ロシアでは主要な輸出品である原油、天然ガスの需要が欧米との関係悪化や欧州の景気低迷で伸び悩むと予想されている。新たな市場の開拓は緊急の課題で、プーチン大統領はエネルギー需要の高まりが予想されるインドを輸出先として取り込む考えだ。