2015/1/7

ロシア

中銀が銀行救済措置を発動、ルーブル危機で初

この記事の要約

ロシア中央銀行はさきごろ、国内中堅トラスト銀行の経営破綻を回避する措置として990億ルーブルの金融支援を行うことを決定した。返済期間は10年で、資金は預金保険機構を通じて供給される。当初中銀は支援金額を300億ルーブルと […]

ロシア中央銀行はさきごろ、国内中堅トラスト銀行の経営破綻を回避する措置として990億ルーブルの金融支援を行うことを決定した。返済期間は10年で、資金は預金保険機構を通じて供給される。当初中銀は支援金額を300億ルーブルとしていたが、大幅に増額した。同機構が再建に向けた受け皿として選定したオトクリーチエ銀行に対しては280億ルーブルの貸付を行う。

今回の銀行救済措置は昨年のルーブル急落を受けた金融危機発生後初めてのものとなる。

トラスト銀行は個人預金総額で同国16位(昨年11月時点)。決定と併せて中銀のスーホフ副総裁は、同行からの預金流出額が昨年12月第3週だけで30億ルーブルに達し、資本不足額は数百億ルーブルに上ると述べた。また自己資本の評価額に関し粉飾が行われていたことも明らかにした。

トラスト銀行の自己資本比率(ロシア中銀基準N1.2)は昨年12月1日時点で5.53%と、15年1月から適用される基準値6%を下回っていた。預金保険機構の関係者によれば、同時点のトラスト銀行の預金量は1,440億ルーブル。そのうち預金保険の対象額は1,000億ルーブルだった。(1RUB=2.06JPY)