2015/1/7

ロシア

ロスネフチ、モルガンスタンレーの石油事業買収を中止

この記事の要約

ロシアの国営石油大手ロスネフチは12月22日、米投資銀行モルガンスタンレーの石油関連事業の買収合意が失効したと発表した。ロスネフチはその理由を米国の規制当局の認可が得られなかったためとしている。 同買収計画は石油関連事業 […]

ロシアの国営石油大手ロスネフチは12月22日、米投資銀行モルガンスタンレーの石油関連事業の買収合意が失効したと発表した。ロスネフチはその理由を米国の規制当局の認可が得られなかったためとしている。

同買収計画は石油関連事業の売却先を探していたモルガンスタンレーが、国際展開を狙うロスネフチと2013年12月に合意していたもの。ロイター通信によれば企業買収の審査を行う米国の国際投資委員会は安全保障上の懸念を理由に両社の取引を認めなかった。ロスネフチにとり今回の計画の頓挫は、ウクライナ危機に関する西側の制裁措置導入後に北極海の石油開発事業から撤退したエクソンモービルに続くものとなった。

一方ロシア現地紙『コンメルサント』は12月24日、ロスネフチが英国の石油大手BPとの間で東シベリアのタース・ユリャフ油田の権益売却に向けた交渉を行っていると報じた。ロスネフチ傘下の合同会社「タース・ユリャフ」関係者によれば同油田の権益を有する同社の株式の20%をBPが取得する。売却額は7億ドルから8億ドルに上ると見られ、基本合意が成立すれば15年初頭には取引が完了する予定だ。

東シベリアに位置する同油田の推定埋蔵量は原油類が1億3,400万トン、天然ガスが1,550億立方メートル。13年10月に原油の採掘が開始され、14年の生産量は90万トンに達したものと見られる。油田は東シベリアと太平洋を結ぶパイプラインに接続されている。

ロスネフチに関しては、14年4月に発表された米国の制裁リストにセチンCEOの名前が入ったため米国企業との取引が禁止されたのに続き、7月には同社への長期投資が、9月には北極海、深海、シェールオイルの探査や生産に関連した製品、サービスの輸出及び技術供与に関する禁止措置が導入された。一方でロスネフチの資産の買収は禁じられていない。