欧州連合（EU）の欧州委員会の命令により、ハンガリー政府が独高級車メーカーのアウディに対する助成金の支給を停止したことが8日までに明らかになった。EUの国家補助規定に違反している疑いがあるためで、欧州委は調査を本格化させる見通しだ。
問題となっているのはハンガリー政府が2011年に決定した助成措置だ。アウディがジュール工場を大幅に拡張する計画を対象とし、112億フォリントを助成すると欧州委に報告していた。しかし、その後まもなく、助成額を449億6,000万フォリント（1,500万ユーロ）へ4倍化。13年9月に増額を報告した時点で、すでに助成金の一部の送金を済ませていた。
これに対し、欧州委は昨年7月、国家補助規定に違反している疑いがあるとして非正規の形で調査を開始していた。
フォルクスワーゲン（VW）グループに属するアウディは、2011年から13年にかけてジュールに12億ユーロを投資。プレス、車体製造、塗装、組立設備を建設し、一貫生産体制を整備した。
昨年のハンガリーにおけるエンジン生産数は前年比5万基増の197万3,700基となり、過去最高記録を更新した。乗用車の出荷台数は4万5,000台増の13万5,200台。従業員数は約900人増えて1万1,300人となっている。（1HUF＝0.43JPY）
