2015/1/14

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

S&P、ブルガリアの格付けを「投資適格外」に引き下げ

この記事の要約

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先ごろ、ブルガリア国債の格付けを「トリプルBマイナス」から「ダブルBプラス」に1段階引き下げた。これにより同国債は投資不適格級に格下げされた。見通しは「安 […]

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先ごろ、ブルガリア国債の格付けを「トリプルBマイナス」から「ダブルBプラス」に1段階引き下げた。これにより同国債は投資不適格級に格下げされた。見通しは「安定的」としている。

同社は引き下げの理由として、◇主要銀行が相次いで金融当局の管理下に入ったり政府の資金注入を受けたりしたことに見られる金融システムの脆弱性◇今後も金融機関に対する当局の支援が必要となるリスクがあること◇成長率の鈍化とデフレの継続により政府の借入が増加する可能性があること‐‐などを挙げている。一方政府債務は依然として低いレベルにとどまっていることから格付け見通しは安定的としているが、金融システムに対するさらなる政府支援が今後必要になるなどした場合には格下げもありうるとしている。

同国では昨年6月、国内4位のコーポレートコマーシャル銀行からの大量の預金引き出しが発生。同行は金融当局の管理下に置かれ、最終的に銀行免許を剥奪された。また3位行のファーストインベストメントバンクも大量の預金引き出しに直面し政府の資金注入を受けた。政府は両行の処理のため2014年の同国GDPの3.5%にあたる資金を支出している。

一方フィッチ・レーティングスは先月、同国の国債を投資適格級の中で最も低い「トリプルBマイナス」に据え置いた。またムーディーズは11年7月以来投資適格級の中で下から2番目の「Baa2」としている。