2015/1/21

総合・マクロ

ハンガリー政府が敗訴、たばこ専売制導入めぐり

この記事の要約

ハンガリー政府が2013年のたばこ専売制度導入に当たり、業者の販売免許を取り消したことの合法性が争われていた裁判で、ストラスブールの欧州人権裁判所(ECHR)は13日、免許取り消しが資産の保護を定める欧州人権憲章に抵触す […]

ハンガリー政府が2013年のたばこ専売制度導入に当たり、業者の販売免許を取り消したことの合法性が争われていた裁判で、ストラスブールの欧州人権裁判所(ECHR)は13日、免許取り消しが資産の保護を定める欧州人権憲章に抵触するとの判決を下した。政府に対し、損害賠償金1万5,000ユーロおよび裁判費用6,000ユーロの支払いを命じた。政府は判決を受け入れる姿勢だ。

たばこ専売制は2012年9月に法案が成立し、翌年7月に施行された。ハンガリー西部のショプロンで16年以上にわたりたばこ販売業を営んできたラースロー・ヴェーコニー氏は、販売免許を取り消されたうえ、新制度下の免許申請が却下された。これにより職を失い、家族を養うのが困難になったため、ECHRに提訴した。

ECHRは判決の性格について、政府の免許付与手続きの正当性を判断するものではないことを明確にした。その上で、今回のケースでは個人資産の侵害を正当化するだけの公共の利益はなかったとする見方を示した。